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シルクロード自転車の旅 中央アジア編

【中央アジア ビザ格闘編】 


そんなこんなでiranianvisa.comと約束した2週間は過ぎ、リシタンを出発して
首都タシケントに着いたもののiranianvisa.comから一向に連絡が来ない。
「7-10 working daysってHPに書いてあるじゃん!」と抗議のメールを
送ったが「イランでは木金が休みなんです」と返ってきた。
いや、その代わり土日働いてるって俺知ってるからね?
イライラしながらとうとう三週間待つ。「まだか!」とメールすると
「来週の前半には」と返ってくる。月曜日、火曜日、水曜日と連絡なし。
もちろんその間こちらからはメールを送っている。もうウズベキスタンの
ビザも切れてしまうから出国しなくてはならない。ビザ有効期限の前日、
ダメモトで大使館に相談してみようと行ったタシケントのイラン大使館で
偶然ビシュケクのさくらゲストハウスにいた日本人と再会、iranianvisa.comは
評判悪いということを聞き、彼らの使った旅行代理店(Touranzaminという
ところ)を教えてもらう。即そこに依頼のメールをして翌日出国、
カザフ経由でビシュケクに戻る。ビシュケクで確認するとiranianvisa.comと
Touranzaminと両方から番号が発給されている(タシケントからビシュケクは
460kmくらい離れてます。自転車で三日かかります)。Touranzamin、仕事早い!iranianvisa.com、遅すぎるがな!!遅いのはともかく(それもダメだけど)
うそつきはキライである。iranianvisa.comには「貴社は全く信頼がおけない。
今後二度と使用しないし、イランに行きたいという人がいたら貴社だけは
使わないよう助言する」と男らしく通告した。
こんなに「社会的に破滅させてやりたい」と思った相手は初めてである。
だから皆さんもイランに行く機会があったら、iranianvisa.comだけは絶対に
使わないようにしてください。


 タシケントに舞い戻りトルクメビザを申請した後、三週間もタシケントで
待つわけにはいかないのでさっさと出発した。ウズベキスタンには世界遺産が
四箇所ある。
サマルカンド、シャフリサブス、ブハラ、ヒヴァである。
世界遺産の街はどれも素晴らしかったが、順位をつけるなら
ヒヴァ>サマルカンド≧ブハラ>>>超えられない壁>>>シャフリサブスかな。
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 サマルカンドは言わずとしれた青の都、おそらく最も有名なシルクロードの
都市であろう。紀元前十世紀頃から栄え、アレキサンダー大王に攻められた
りモンゴルに破壊されたりしながらも復興しティムール帝国の首都となった。
現大統領のカリモフ氏もサマルカンドの出身である。
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有名な青の広場などは数十年前は廃墟同然で、大掛かりな修復活動を
経て甦ったという。でも「なあんだ、新築みたいなもんか」とガッカリせずに
見てほしい。やっぱり美しいぞ。シャフリサブスはティムールの生まれ故郷であり、
生前からティムールは自分の墓をシャフリサブスに作っていた
(実際に葬られたのはサマルカンド)。ブハラも有名なシルクロード都市で、
紀元前五世紀にはペルシャ帝国の一部として歴史に登場する。
タラス河畔の戦い以後イスラム化が進行し、かつてはバグダットと並ぶ
イスラム都市とされていた。ラビハウズ付近やカラーンモスクもきれいだが、
オススメはイスマーイール・サーマーニ廟である。公園の中にある小さな
煉瓦作りの建物だが、煉瓦の組み方で描き出している幾何学模様が何とも
言えず美しい。
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ブハラもサマルカンドと同様にかなり修復の手が加わって
いるそうだが、ヒヴァのイチャン・カラ(旧市街)は中世のシルクロード都市が
ほとんどそのまま保存されている。シルクロードの旅にヒヴァを入れないのは
モグリだと言っても言いすぎではあるまい。イチャン・カラもいいが、
オススメしたいのは郊外の遺跡巡りである。
この地域はアムダリヤの流れが変わる度に街を移動させてきた歴史があり、
放棄された古代の城址が360℃の地平線の中にそびえていたりするのだ。
おまけにびっくりするくらい観光客が少なく、天空の城ラピュタ気分に
浸れること請け合いである。
ウズベキスタンはユーラシア大陸ど真ん中、まさしく東洋と西洋の文明の
交差点である。砂漠地帯を結ぶオアシスの町に、様々な人種・民族・言語が
入り乱れて生活を営んでいる、シルクロードの印象に一番ぴったりくる
国だったと思う。
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