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コロナ禍でも大手航空会社CAになる夢を叶える、エアライン受験5つのポイント

~元JAL CA・吉井妙講師~

 新型コロナウイルスの感染拡大により、ANAやJALなど大手航空会社の新卒採用が中止されるという厳しい現状になっています。航空業界で働きたいという夢を持って、努力してこられた方々にとって、悲しく、悔しい状況だと思います。

実は航空業界では、採用が中止される事態に陥ったことが過去に何度かありました。アイザックエアラインスクールの講師の中にも、CAになる夢を抱いていざ就活に臨む際、就職氷河期により、大手航空会社が新卒採用を見送るという辛い現実に直面された方がいらっしゃいます。苦難を乗り越え、夢を叶えたJALの元CA、吉井妙(よしい たえ)講師です。

吉井講師が体験談を元に、コロナ禍の今、航空業界の就活を控える方々に、受験に際してのアドバイスやポイントなどをお伝えします。

夢を叶えるポイント1.
LCCにも目を向け、大手航空会社の既卒採用のチャンスを待つ!

吉井講師が就活生の時代は就職氷河期と呼ばれ、JAL、ANA、JAS(日本エアシステム)の大手航空会社3社すべてが新卒採用を見送りました。当時、エアラインスクールに通っていた吉井講師は、新卒採用募集に向けて様々な努力をしていた時だったので、大変ショックを受けました。受験すらできないというやり場のない悲しみに打ちひしがれ、CAになる夢を叶えるために積み重ねてきたこれまでの頑張りが、ガタガタと崩れ落ちていきました。

CAになることだけを考えて頑張っていたので、夢にチャンレジすらできないとなった時、「何をしたらいいんだろう」と途方に暮れ、考えてもやりたいことは見つけられませんでした。就職をしないといけないという焦りはありつつも、CAになりたいのにというやるせない思いから何も手が出せず、ただただ時間だけが過ぎていきました。

無駄な時を3ヶ月過ごしたように思いますが、今考えるとこの3ヶ月間で「本当に自分は何がやりたいんだろう」と自分自身を見つめ直し、なぜCAになりたかったのかという根本を明確にすることができました。

CAは一流のおもてなしをする接客業なので、吉井講師は、接客業に繋がるような仕事をしながら、就職氷河期が明けて、航空会社の募集が出るのを待つことにしました。

エアライン業界は、新卒採用のみならず、社会人になってからも受験できる既卒採用というものがあります。吉井講師は既卒試験に向けていつチャンスがきてもいいように、接客業従事者としての心がまえを磨きつつ準備をしていこうと決意し直しました。

CA以外の接客業の就活準備を進めようとしていると、JALが作ったJEX(JALエクスプレス)という子会社が募集をすることが分かり、採用試験を受け、2000年にJEXに就職することができました。JEXは、ジェットスターやピーチなどのリーズナブルに飛行機を利用できるLCCのような航空会社で、今はJAL本体に吸収合併され、JALの一部となり運航しています。当時はLCCのような航空会社が少なかったので、大手の航空会社に就職できなければCAの夢を叶えることは難しいとされていました。吉井講師は、国際線に憧れていたため、国内線を運航するJEXで働きながら、JALの既卒採用のチャンスを待っていました。毎年、定年退職や結婚など自身の都合による退職者が一定数います。そのため、会社は人員を補充しないといけなくなります。

ふいにチャンスは訪れ、既卒採用を若干名募集することが発表されました。ようやく夢を叶えるチャンスを手に入れ、すかさずトライした結果、念願のJALのCAになることができ、その後12年間乗務を行いました。

吉井講師は、「JALやANAのCAになりたいと努力している皆さんにとっては、CAになれないんじゃないかと思わざるを得ないような状況だと思います。けれども、まずはLCCなどのCAになり、既卒試験のチャンスを待って、大手航空会社のCAになるという道があることを知って、安心して頂きたいと思います」と語っています。

 コロナ禍で航空業界は厳しい状況ではありますが、人の流れは止まっていません。少しずつ国内線から需要が回復していき、いずれはコロナ前のように国際線も回復していくでしょう。時間はかかりますが、夢を叶える機会は必ず訪れます。特に既卒採用は、航空会社が人員が必要な時期に若干名募集をかけます。既卒試験の道はまだまだあります。コロナ禍でANAが採用をストップした年の既卒採用合格者の最高年齢は、31歳でした。吉井講師が既卒採用で合格した時代の最高年齢は25歳。年齢が若い方を採用するという方針が、年齢ではなく、人柄、経験を重視する方針に変わっていることが分かります。

 今後も新卒採用が中止されることになったとしても、LCCの航空会社の採用試験にトライしてみて、CA、あるいはグランドスタッフとして働き、経験を積みながら大手航空会社の既卒採用募集を待ち、長いスパンで夢を叶えていく道があります。

夢を諦めないで既卒採用に目を向け、LCCのCAやグランドスタッフなどで経験を積んでいくことが夢を叶えるポイントのひとつです。

夢を叶えるポイント2.
自分を大切に思える人がお客様を大切に思え、「察する心」が育まれる!

 エアライン業界は接客業にあたります。今、アルバイトなどで接客業を選択されて働いている方もいるでしょう。接客業で一番難しいことは何でしょうか?
 お客様にただ物をお出しするだけでなく、お客様が従業員に何を求めているのかを察して、接客を行うことが一番難しいことです。

アルバイトだからと、ただお客様に物を出せばいいと思いながら働いているのであれば、今日からその考えは捨てて下さい。CAになりたい夢を持っているのなら、接客業のアルバイトも夢を叶える準備のひとつとして、接客の心構えを身に着けることを意識して真摯に取り組んで頂けたらと思います。お客様が何を必要としているか、何をしてほしいのか、物を出すだけでなく、お客様が求めていることを察する心が大切です。「察する心」を形にしていく、これがエアライン業界で求められている最高の資質です。

接客業の難しい部分なので、最初からできる人はいません。まずは、接客業のアルバイトをしながら、「お客様は何を求めていらっしゃるんだろう」、「お客様に喜んでもらいたいな」、そういうシンプルな気持ちを持ってお客様に接することから始めてみてください。

お客様を大切に思う気持ちを持ってもらいたいですが、そのためには自分を大切に思う気持ちがポイントです。JALでは人材ではなく、「人財」と表記します。社員は宝であるという意味が込められています。JALが一度経営破綻した後に掲げられた「JALグループ企業理念」に以下のように記載されています。

『JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、

一、お客さまに最高のサービスを提供します。

一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。』

(引用元:JALホームページ https://www.job-jal.com/special/philosophy/)

社員の幸せなくしてお客様の幸せなしという理念をJALは掲げています。皆さんおひとりおひとりが宝物なので、「私なんて」と自分を卑下する考えを持っているのであれば、もっと自分自身を大切にすることを意識してください。

スクール生の中にも、「私なんかがCA、グランドスタッフ、エアライン業界を目指していいものか」、「私なんて向いてるんだろうか」、というふうに思われている方がすごく多いです。「私なんて」いう言葉は捨てて、「私だからできることはある」、「私はきっとできる」と、自分を大切に思う心を持ってください。自分自身を大切に扱うという心の行為が、お客様を大切におもてなしできることに繋がります。

面接採用試験でも、面接官は、自分自身を大切にしているか、お客様を大切にできる人かどうかを見極めます。自分自身を大切にしている人、そしてエネルギーにあふれている人財が求められます。

これからの面接採用試験は、これまでより狭き門となってきます。通常ですと新卒の採用は350名程で、とてもたくさんのチャンスがありました。しかし、今現在どこの航空会社も大量に採用はできません。募集が再開しても大量の採用はしばらく考えにくいでしょう。 

また、元々既卒試験は、採用人数がとても少ないです。前述したように、新卒採用が中止された今、既卒採用のチャンスを待つ道もあります。しかし、大変厳しい採用枠であるということはしっかり肝に銘じていないといけません。だからこそ、求められる人財像をしっかり分析し、自分自身を、お客様を大切にする心を育む必要があります。

接客業や採用試験に合格するためのノウハウなどは、スクールでプロの講師陣から教わり、技術を磨くことはできますが、心の在り方教えられてできることではありません。吉井講師は、「一日、一日、自分自身の時間を、命を、そして自分を扱うことを大切にして過ごすことで磨かれていく一歩に繋がります。ぜひ皆さん、採用試験のためだけではなく、ひとりの素敵な女性になるべく、ブラッシュアップして、心の所作はいつも美しくあって頂きたいなと思います素敵な人は誰にでも受け入れてもらえるというふうに思っております。採用枠が非常に少なくとも、ぜひこの人には来てもらいたい、ぜひこの人にはうちの会社の顔になってもらいたいと思える人財像に成長していってもらいたいです」と語っています。

 

夢を叶えるポイント3.
諦めないで夢を持ち続け、大切に育てて花咲かせる!

コロナ禍の厳しい状況ではありますが、夢を諦めない強い気持ち、心の在り方が、夢を叶えるポイントです。

この厳しい時代だからこそ夢を諦めてしまう人は本当に多いです。しかし、夢を諦めず、持ち続けた結果、吉井講師はJALのCAになる夢を果たしました。採用試験を勝ち進んでいくための技術的なポイントは、スクールに通ったり、インターネットで調べたりすれば学ぶことはできます。ですが、夢を諦めないための心の在り方は、現在のような厳しい状況の中、夢を叶えた人からしか学ぶことはできません。吉井講師は自身の経験を通して伝えることができる心のポイントとして、「自分が持っている夢の種に水を与えて成長させ、花開くまで持ち続けること」と語っています。

現在、アイザックエアラインスクールには多くの大学生が通っていますが、看護師や小学校の先生など、様々な職種の社会人の方も通っていて、年齢も25歳以上の方もおられます。その方々は、このコロナ禍の中で、昔自分がやりたかったこと、諦めたことをもう一度振り返って自分の人生を考えたそうです。CAを目指していたものの、私なんてと思い、受験すらしなかったという方や、新卒で受験をして失敗をして諦めたという方もいました。自分の夢にもう一度チャレンジしてみたいと、スクールに通われる方が多いです。

人は生来、一度持った夢に対して納得いくまで挑戦し続ける心、夢を諦めない心があると思います。面接試験を合格するための技術は学べば身に着けられますが、習っても難しいことは、夢を持ち続けることと、どのように夢を育てて花咲かせていくか、ということです。夢を叶えるためには、この点が非常に重要なポイントです。

夢を叶えるポイント4.
自分の不足な点を克服し、第一印象のイメージをアップする!

吉井講師がエアラインスクールに通っていた際、講師から「人から声をかけられやすい人材になりなさい」と言われたそうです。男性からお誘いを受けるという意味ではなく、ご高齢のご婦人に道を聞かれたり、時間を聞かれたりするという意味での「声をかけられやすい人」ということです。講師から、一週間に一度声をかけられるかどうかチャレンジしなさいと言われた吉井講師は、口角を上げて微笑みを絶やさないことを意識して過ごすようにしました。すると、一週間に一度のみならず、2回、3回、道や時間を聞かれることもある程、声をかけられやすい人になれたといいます。また、飲食店などのお手洗いでも、笑みを絶やさず身だしなみを整えていると、ご高齢のご婦人から「失礼ですけど、何をされていらっしゃる方なの?」というふうに、声をかけられることも増えました。当時、学生だった吉井講師ですが、このように声をかけられるほど、プロフェッショナルの雰囲気をまとっていたのでしょう。

現役を退き、エアラインスクールの講師となった今でも、ご婦人に声をかけられることが度々あるそうです。CAとして培った一流の接客業従事者としての立ち居振る舞いは、時を経ても色あせることなく身についているのでしょう。接客業従事者として自分自身の足りないものを早く見つけて克服努力をすることが大切です。

また、CAがグランドスタッフと違う大きな点は、職場が地上から離れた機内だという点です。機内の気圧はある程度設定されていますが、地上よりは気圧が低いので体に負担がかかります。それなので、体力をきちんとつけておくことが大切です。体力だけでなく、見た目のバランスも大切です。もちろん太りすぎも良くないですが、痩せすぎていても不合格になることもあります。

吉井講師は瘦せすぎていたため、講師から見た目が貧相で弱々しく、第一印象が良くないと指摘され、試験までに体重を7キロ増やしたそうです。頬がこけて見えていたので、7キロ増やしてようやく顔がふっくらとして見えるようになったといいます。採用試験に合格するためには上述した心の在り方も大切なのですが、第一印象の見た目も重要です。瘦せすぎていないか、あるいは少しぽっちゃりしすぎていないか、自分の体を客観的に見て、バランスの良い体型を目指してください。

夢を叶えるポイント5.
色々な体験を通して、感情豊かな人になり、オリジナルの引き出しを増やす!

体験というものが非常に重要です。自身の体験が、お客様と会話をする際のオリジナルの引き出しになります。

面接官は皆さんがどういう体験をたくさんしてこられたのかを見ます。たくさん体験をすれば、その分、感情がたくさん芽生えます。感情豊かな人財は多様なお客様の思いに寄り添うことができます。体験が不十分だと、お客様の様々な事情、感情を理解できず、寄り添うことが難しいのです。自ら悲しい体験をする必要はありませんが、悲しいこと、辛いこと、苦しいことをたくさん体験することで、引き出しが増え、お客様の気持ちに寄り添うことができます。

また、日々、主体的に行動することを心がけてください。自分で何かワクワクすることを見つけて行動に移したり、誰かの為になることをしてみたり、何でもいいので主体的に考えて行動する癖をつけてださい。それは必ず体験に繋がります。ひいては自身の宝物の体験に繋がっていきます。たくさん色々な体験をして、感情を豊かに、オリジナルの引き出しを増やす努力をすることが大切です。

吉井講師からの応援メッセージ

コロナ禍の厳しい状況ではありますが、あまり悲観することはないと感じています。私自身、色々な心の紆余曲折を経ながらも夢を持ち続けたからこそ、JALのCAになるという夢を叶えることができました。

皆さんが夢の種を持っているならば、時代のせいにして夢を諦めないでください。夢を持ち続けて、花を咲かせてもらいたいと思っています。スクールでもこのように応援の言葉をたくさんかけて、皆さんの夢の種にお水をかけられるように努めております。

昨今厳しい状況かと思いますが、世界が回復することを祈りながら、皆さんの小さな種を花が咲くまでお水を上げながら大切に育ててください。ご縁がありましたらそのお水を注ぐお手伝いを、私どもにさせて頂けたらと思っております。

吉井 妙
アイザックエアラインスクール講師
(元日本航空客室乗務員)