女子力UP! JAL CAの「制服マジック」で恥ずかしがり屋を克服。元JAL CA 有田りな

「制服マジック」という言葉を耳にしたことはありませんか? 日本航空 客室乗務員時代の制服になりますが、CAの仕事はお客さまへのサービスなので、人前で話すのは当然大好きだと思っていませんか?

恥ずかしがり屋さんの場合、どうしたらよいでしょうか?客室乗務員として必要な内面と外面についてお伝えいたします。

恥ずかしがり屋の幼少時代

私の周りに「初対面の人に愛想良くしたり、どんどん話しかけたりするのは性格に合わない」と話す友人がいます。客室乗務員ってやたらと積極的じゃないといけない?と感じてしまった方もいるかもしれません。しかし、こんなことを書いている私も実は恥ずかしがり屋の幼少時代を過ごしてきました。

小学校での休み時間、砂場でU字磁石を片手に砂金集めをしていた時代もあります(笑) いまだに、話すのは得意じゃないなと感じます。

「制服マジック」で恥ずかしがり屋を克服

皆さま、制服マジックという言葉を耳にしたことはありますか?警察官、お医者さまなど、制服を着用した男性ってなんだかカッコよく頼れる存在に見えちゃいますよね。客室乗務員の制服マジック、当の本人は分かりませんが、「制服を着ているからしやすいこと / この仕事のお陰だな」と感じることが幾つかあります。

その1つが気軽に声をかけることができることです。電車の中で、色々な方を見かけては、声をかけてみたい衝動にかられることもあります。「ここは機内じゃないから」と自分を制することが良くあります。

   JALの着物の制服

喜びを人に分かつと喜びは二倍になり、苦しみを人に分かつと苦しみは半分になる

それでも、なぜ話すことが楽しいと感じるのでしょう?それは、「お客様のお話を伺う」「お客様のお気持ちを共有させていただく」というスタンスでお客さまと接しているからです。

 「喜びを人に分かつと喜びは二倍になり、苦しみを人に分かつと苦しみは半分になる」

ドイツの詩人ティートゲの言葉です。

学生時代、この言葉を就職面接の自己PRの最初の一文にしていました。学生会館での共同生活や団体競技の部活動を経験し、常々感じてきたことです。仕事においてもお客さまが楽しかったお気持ちも、辛いお気持ちも分けていただけるのであれば、悲しみを少しでも減らし、歓びを増やせる存在でありたいと感じました。

国際線の仕事の楽しみ

国際線の楽しみはお客さまと接する時間が長いこと。担当することが多かったシカゴへは12時間もフライトタイムがありますので、お一人おひとりのお客さまと接点を持つことが出来ます。

楽しい旅の思い出いっぱいのヨーロッパ帰国便

ヨーロッパからの帰国便は、楽しいご旅行の思い出をいっぱいのせています。時間がゆるす限り、お客様の旅のお話しをお伺いしていました。「ご旅行、いかがでしたか?どちらが一番良かったですか?」声を掛けさせていただくと、マジシャンが使う魔法の帽子のように、楽しい話が出てくる、出てくる、出てくる!!

「今回は、ローマから船で港街に寄港しながら旅を続けたのよ。あの街では・・・」という具合です。

お伺いしているだけで、美しい情景が脳裏をよぎり、美味しそうな話にお腹を空かせてしまいます。他にも、並んで一眼レフで撮ったお写真を眺めて楽しんでいらっしゃる方々がいらっしゃれば、「良いお写真撮れましたか?!」なんて、声をかけてしまいます。

そうすると「オーロラ撮れましたよ!見てください!」などと仰っていただき、お写真を一緒に拝見させていただき、色とりどりのオーロラを満喫させていただく事もありました。

ハワイ行のフライトでは試験合格を願う

ハワイ行のフライトでは、米国公認会計士の問題集を解いていらっしゃる方がいらしたので「これから試験ですか?」と声をおかけしました。周りの友人たちが米国公認会計士の試験をうけていたので、問題集を目にしたことがあったのです。お一人で試験に向かっていらっしゃいましたので、心を許してくださり、勉強の合間に少しお話しする事も出来ました。

20代半ばで父親世代のお客さまを担当

 ビジネスクラスを担当し始めた頃は20代半ば。ビジネスクラスでは、大体15名ほどのお客さまを担当していました。対するお客さまは父親世代の方々が多く、何をお話すればよいか悩んだ事もありました。それでも機会を窺いながらお客さまのお話をお伺いすると、予想以上に、何気ない会話を楽しんでくださることに気付きました。

 「実はこの後、南米に乗りつぐんだ。当分日本語を話せなくなるよ」と、責任あるお仕事を任させていらっしゃる責任と、その分のプレッシャーもちらりと覗かせながら心を開いてくださる方、

「シカゴに住んでいてね、1年ぶりの日本だったんだ。本当に楽しかったよ。次の帰国は年末だから、それまでがんばるよ。また宜しくね」とおっしゃる方など。 

着陸準備の前には、担当したお一人お一人に再度ご挨拶に伺います。充分にコミュニケーションが取れていると、単なる搭乗御礼ではなく、お一人おひとりに合わせたご挨拶ができます。

「南米でのお仕事、心より応援しております。お体にお気をつけて、いってらっしゃいませ」ですとか、

「また年末にお待ちしております。この一年、ご活躍なさったお話をお聞かせ下さい」など。

お客さまの笑顔に心が通い合ったことを感じ、少し名残惜しいような気持ちでお見送りします。

CAならではの一期一会

リピーターのお客様を多く抱えていらっしゃる老舗ホテルなどと違い、機内での出会いの殆どは、一期一会。2度お目にかかることが出来る確率は、東京で星を見るほど少ないです。お客さまの人生がクロスする空間。飛行機が到着すればまた、それぞれが目指す場所へ向かいます。

お客さまにとって機内は、少し窮屈で、手持ち無沙汰な、特殊な空間。そのお時間にお話をお伺いし、想いを共有させていただくことで、少しでも励ましの力になれたり、緊張していた気持ちをほぐすことが出来ればと感じています。

これから客室乗務員を目指す皆様、そして夢をかなえた皆様、お客さまの心の扉を、皆様の笑顔で開いて、絆づくりを楽しんでください。

有田りな

慶應義塾大学卒業。新卒で日本航空株式会社に入社。客室乗務員として10年勤め、在職中は大学での講演、雑誌やテレビの取材に多数出演し、就職情報雑誌月刊エアステージではJALの特集号で表紙も飾る。 現在アイザック エアラインスクール講師。社団法人日本マナーOJTインストラクター協会マナーOJTインストラクター、接客英会話インストラクター。

“客室乗務員は「自分を磨き、相手を幸せにする」仕事で、目指そうと決めた日から心磨きが始まっています。大学3年生の秋からアイザックに通い、先生方のご指導や励まし合える仲間のおかげで夢を叶えたアイザック卒業生講師です。皆様の期待や不安も共有しながら「夢を叶えるための時間も楽しい!」と感じていただける授業を目指しています。”

最後に

アイザックではJAL、ANAをはじめ、客室乗務員、空港グランドスタッフにこれまで2,400名の合格実績があります。少しでもCA、地上職に興味をお持ちでしたら、まずは無料の個別相談会、レッスン見学に参加してみてはいかがでしょうか?
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