どちらが向いている?「日系」と「外資系」エアラインの6つの違い

世界各国に存在するエアラインですが、国際化が進む中で、日本人客室乗務員の採用は日系エアラインのみならず、外資系エアラインでも活発に採用しています。そして、同じ「客室乗務員」という職種でも、日系と外資系では様々な違いや特徴があります。客室乗務員を目指す上で、日系と外資系のどちらが向いているのか考えるためのヒントとして、6つの違いをお伝えします。

英語を使用する頻度

 日系エアラインで英語を使用する機会といえば、外国籍のお客様の対応時が中心です。その一方で、外資系エアラインではトレーニング、乗務員同士のコミュニケーションはもちろん、マニュアルや事務手続きも全て英語です。フライト以外の日常的な場面でも英語の環境に身を置きたい方、異文化の中で生活したい方には、外資系エアラインが向いています。

居住地

日系エアラインは、日本国内がベース(居住地)です。しかし、外資系エアラインでは海外ベースでの採用が多い傾向です。海外ベースから世界各国にフライトするため、日本に帰国できる頻度は減ります。日本にいられる時間が少なかったとしても外資系エアラインでフライトをしたいのか、考えた上で応募することをおすすめします。

一緒にフライトをする客室乗務員の国籍

 日系エアラインでは一緒にフライトをする乗務員は日本人です。そのため、言葉の面での苦労はありません。また、ステイ先などでも自然と一緒に食事をする流れになったり、出かけたりする場面が多くあります。しかし、外資系エアラインでは一緒にフライトするのは外国籍の乗務員です。フライトによっては日本人の客室乗務員は自分1人だけで、あとは全員外国籍の乗務員ということもあります。日本人が1人だけであったとしても積極的に輪に入っていける、もしくは1人で行動することも苦にならない人でなければ、寂しさを感じてしまうかもしれません。

男性客室乗務員の人数

 最近では日系エアラインも積極的に男性の客室乗務員を採用していますが、まだ女性の客室乗務員の数の方が圧倒的に多く在籍しています。しかし、外資系エアラインでは、男性の客室乗務員が多く在籍しています。外資系エアラインで乗務すると、女性は1人だけで、他は全員男性の客室乗務員ということも多くあります。その分、手荷物の収納やギャレー内のカートの移動などの力仕事は積極的に引き受けてもらえます。一方で日系エアラインでは、そのような状況は少ないため、女性の客室乗務員が力仕事も全部こなさないといけません。体力が必要なことはどちらにも共通していますが、場面によっては、日系エアラインの方が力仕事を行う頻度は多いかもしれません。

自己主張の重要性

日系エアラインは、日本企業であり、日本文化がベースになっているため「察する文化」があります。そのため、1人の乗務員が仕事を多く抱えている場合は、何も言わなくても積極的に手伝うことが求められます。一方で、外資系エアラインでは自己主張をすることが必要とされます。忙しい場合には、自分から他の乗務員に「手伝ってほしい」と依頼をするなど、できない時はできないと言わなければ、「なぜ状況を教えてくれないのか」と問われることもあります。また、選考時にグループディスカッションが実施された際、日系エアラインと外資系エアラインでの通過者の特徴と傾向があります。日系エアラインのグループディスカッションでは発言が少ないとしても「空気を読んで発言をしなかった」という評価をされ、通過できる場合があります。しかし、外資系エアラインのグループディスカッションで発言が少ないと「自己主張ができない」という印象になってしまい、評価に影響することがあります。グループディスカッションでは、この文化の違いを踏まえた上で臨むことをおすすめします。

自己責任の厳しさ

一見、日系企業の方が責任管理の基準がしっかりと整備されており、ルールや規定が厳しいイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際は外資系エアラインの方が「自己責任」という言葉が常につきまとい、自分で考え、行動に移し、結果を出すことの責任は厳しく見られています。入社後の新人トレーニングを例に挙げてみます。日系エアラインのトレーニングも厳しいことには間違いありませんが、合格をするまで何度も再テストがあります(とは言っても限度はあります)。しかし、外資系エアラインは既定の回数で合格の点数に満たない場合は、強制帰国です。また、テストはクリアしていてもトレーニング中の態度が悪いという理由で強制帰国をさせられることもあります。その他、トレーニング終了後も外資系エアラインでは、会社によって2回遅刻をしたら有無を言わさず解雇にされる場合もあります。一方で、日系エアラインでは注意を受けますが、解雇はほぼありません。日系エアラインは会社が厳しく管理している分、ある程度は会社が守ってくれる社会的な保護がありますが、外資系エアラインは自由度が多い分、自己責任の厳しさがよりシビアに求められます。

【まとめ】

同じ「客室乗務員」という職種でも、日系エアラインと外資系エアラインでは仕事のみならず、生活の仕方や文化を背景とした考え方も変わってきます。そして、各々の良さがあります。ご自身の今までの経験や送りたいライフスタイル、挑戦したいことなどキャリアビジョンを考えた上で、応募することをおすすめします。本記事に関連する内容として「留学を考えている学生さん必見!!〜留学で身につけるべきCAに必要な5つの要素とは〜」(URL:https://airline.gr.jp/airline/article/ca-5elements/)も参考にご覧ください。

皆様が客室乗務員としての夢を叶え楽しく、そして希望にあったフライト生活が送れることを祈っています。

元日本航空・ベトナム航空 客室乗務員
高山 アンナ

最後に

アイザックでは大韓航空、JAL、ANAをはじめ、客室乗務員、空港グランドスタッフにこれまで2,700名の合格実績があります。少しでもCA、地上職に興味をお持ちでしたら、まずは無料の個別相談会、レッスン見学に参加してみてはいかがでしょうか?