ANAの現役客室乗務員の方にインタビューさせていただきました。お客様とのコミュニケーションから生まれるやりがい、チームで安全運航を達成させる際のやりがい、いろいろなやりがいを感じながら日々乗務されているそうです。後半は就活時代のお話も聞かせていただきました。これからANAを目指している方はぜひ参考にしてください。
―会社の雰囲気はいかがですか?
基本的にフライト毎に一緒に乗務するメンバーが変わるので、毎回初めましての状態なんですが、本当にいろんな方とコミュニケーションを大事にしながらお仕事しています。以前にフライトをご一緒した方と被るほうが珍しいですかね。今は国内線のみに乗務していることと、習熟度が同じ同期と被ることがあるんですが、基本的にはバラバラです。
フライト中に仲良くなって、ステイ先でお食事でもってなるのは乗っている機材にもよりますかね。4名乗務の小さめの機材だったら、そこで仲良くなって、じゃあお食事でもっていう流れがあったりするんですけど、逆に10名以上で乗務する大きい機材になってくると、結構みんなさっぱりしていて、本日もフライトお疲れ様です!って業務が終わった瞬間に解散になることも多いですね。
いい意味で“onとoff”の切り替えがはっきりしている印象です。
―どんな路線を中心にフライトされていますか?
今は国内線に乗務しているのですが、ANAの国内線の就航地であればほぼ全ての路線に乗務する可能性があって、本当にいろんなところに行かせていただいています。ANA WINGSなどの子会社やグループ会社が所有する小型機でないと飛べない離島など以外は飛んでいます。
秋田とか、北海道内とかの乗務もありますね。あっ離島でも八丈島はありましたね。
ステイ先福岡でのお写真。さまざまなところに行けるのはCAの楽しみの一つ。
―北海道内でのフライトもあるんですね。
あの辺は本当に生活需要路線という感じで、道内の通常の移動手段として利用されている方がほとんどだと思います。乗り慣れている方が多いですね。
―そういった近距離のフライト時間でもサービスは行うんですか?
道内の短いフライトだとほんと20、30分のフライトってこともあるんですが、それでもサービスは行いますね。ドリンクのサービスと、あと便によってはクラスが分かれていることもあるので、その時はその短時間の中でお食事を提供する時もあります。こういった便に乗務する時は事前のブリーフィングを特に密に行って、一つ一つ業務をテキパキと円滑に進められるように努めています。
でもフライトのパターンは本当に人によってバラバラで、千歳ばっかりっていう人もいれば、千歳行ったことがないという人もいるので、乗務する路線はランダムに組まれているようです。
―業務をしていて楽しいと思う瞬間はいつですか?
そうですね。やはりお客様とコミュニケーションを取っているときですかね。もともと
私は人と接するのが好きでこの職を選んだので。例えば、小さいお子様が搭乗されている時は時間に余裕があれば、そのお子様にお手紙を書いたりしています。先日はその手紙になんとお返事をいただけまして、すごく嬉しかったです。
あとは逆に少し気難しそうなビジネスマンのお客様がいらっしゃった時にも積極的にお声がけしたら、いろいろお話をすることができて、その時はとても楽しい時間を過ごせました。
お客さまとの関わりを持てるときは、この職をやっていて楽しいなと感じる瞬間です。
もちろん客室乗務員にもいろいろな考え方や性格の人がいて、積極的にお客さまとのコミュニケーションを取るタイプが全てではなく、とにかく職務に忠実に、業務に集中するタイプもいたりでどのタイプ、どのサービスが正解っていうのはないと思うのですが、私自身は出来る限りはお客様に関わる時間を多くしたいなと思っているので、積極的に自分からお声がけをしています。
―そうなんですね。サービス面以外でやりがい感じていることもありますか?
そうですね。大きい機材の時だと全体のマネジメントをすることがあるんですけど、その時に自分が考えた通りのスムーズなマネジメントができて、フライトを終えることができると達成感いっぱいになりますね。
少し業務が忙しくなることが予想される便とかでも、何事もなく楽しくフライトができて、お客さまも笑顔で降りていかれて、今日は何事もなく安全な運航ができて、このメンバーでフライトできてよかったですね。お疲れ様。っていう日は、すっとした気持ちで帰ることができます。
なんだかんだで平和なフライトができた時が最近の幸せを感じる瞬間かもしれないですね。
―話が変わりますが、就活時代に自分自身で力を入れたことは?
うーん、これといって特別なことはないんですが、TOEICだけは就活が始まる前に目標点に達しておかなければという意識があって、マメに受けていました。確かアイザックに入る以前に目標点に届いていたと思います。あとは資格系も少しでも足しになればと、取れる限りは取っていました。
加えて、バイトと留学に力を入れて、少しでも就活が始まった時に、話せるネタを作ることを意識して大学生活を送っていましたね。
―アイザックで印象に残っているレッスンはありますか?
大人数の生徒で行う合同模擬であったりとか、とにかく面接練習を何回もこなしていたなと思います。先生に言われたことは、ほとんど全て、ちょっと時間が足りなくてできなかったこともありましが(笑)行っていました。
コースが終わってからも、後続のコースにJOINも何回もしていましたし、とにかく面接に慣れるためにアイザック通い詰めていた覚えがあります(笑)
本当に時間を作って面接練習を何回もしてくださったことには感謝しています。
―先生に教わったことで、今も役に立っていることはありますか?
面接の対策なんかで端的に話すクセをつけられたところです。意外なところですが、これすごい重要なスキルだと思います。小さい機材だと乗務員同士直接話せるのでそうでもないのですが、大きい機材になると乗務員同士のやり取りがインターホン越しになるんですね。その時は限られた時間の中で、要点を簡潔に伝えなければいけないので、私もまだまだできていないのですが、それでも面接練習で端的に話すことを鍛えておいてよかったなと思います。
インターホン以外でも出発前、到着後のブリーフィングなんかでもその日の目標や、終わった後の総括なんかをきっちり必要なことだけ話せる力って重要だと思いました。
もちろん働いてから伸ばしていく部分であるかもしれないですけど、就活中でも身に付けられる能力の一つなので、これから就活される方は意識してみたらいいと思います。仕事で役立ちますよ。
―これから対策される就活生に向けて、企業研究ポイントやお勧めの就活対策はありますか?
最新のニュースは絶対に押さえておいたほうがいいと思います。これに関してはANAのプレスリリースを常にチェックしてくださいね。
あと面接で絶対にブレない答えを持たないといけない質問が2つあります。
「なぜANAなのか?」
「なぜCAなのか?」
この2つは間違いなく明確な答えを持っていないといけないところです。
それとこれは入社してから感じることなんですが、結構同期にも十人十色いろんな人がいまして、スクールに通っていた人もいれば、通ってなかった人もいる。小さい頃から客室乗務員を目指していた人もいれば、就活の段階でANAを選んだ人もいます。
それでそれぞれの得意分野も違って、人をまとめたりするのは得意ではないけど、とにかく優しいし周りをよく気にかけている子であったり、逆にまとめるのが抜群にうまい子、本当に飛行機自体が好きな子など、それぞれ輝く分野が違います。それでそんな自分が輝けるものを一つでも持っていれば、面接官はそれを拾ってくれると思うので、あまり難しいことは考えずに、自分の輝ける分野は何か考えて、日々いろんなことにアンテナを張っている必要はあるかなと思います。
ただただCAになりたいと思い続けるんじゃなくて、いろんなことに興味を持って、積極的に興味を持ったことに関して動いていけると、それが最終的に面接で話す内容にもつながっていくんじゃないのかなぁと思いますね。
―ありがとうございました。最後にこれからエアライン業界を目指す方に向けてメッセージをお願いできますか。
本当になりたいと思うなら、その“想い”を強く持っていたほうがいいと思います。
就活をしている中で辛いこととかもあるかもしれないんですけど、その時になぜCAになりたいのかということを考えて、その深い部分まで掘り下げて、しっかりとしたブレない軸を持てていれば、面接官の方には伝わると思います。
でも長い就活の中、そこがわからなくなってブレ始めると、面接官に掘り下げられた時、答えに軸がなくなってきて、結果面接に落ちる、そこからさらに何がやりたかったかわかなくなる…という負のスパイラルに陥ってしまうので、そこは就活にあたっては絶対にはっきりさせてブレさせてはいけないところです。そういう意味で、強い“想い”を持ち続けることは大事。
それでそこが出来上がっていれば、あとはその部分を自信を持って話すために、やはり自分がやれていないなって思うことや、やれたほうがいいよって先生に言われたこととかはとことんやり尽くして、悔いのないように面接に臨んでほしいと思います。
<免責事項>採用情報は、必ず採用企業のホームページでご確認ください。
藤井彩
アイザック エアラインスクール講師
ビジネスマナー講師
接遇研修講師
経歴
日本航空国際線客室乗務員、JALウエイズ客室乗務員
コメント
航空業界は難しいと思われている方が多いですが、決して「特別な」「難しい」業界ではありません。どういう人物像を求めているか…をしっかり自分の中に落とし込み、"コツ"をつかむことで内定は目の前です!一緒に頑張りましょう。