スイス航空の日本人客室乗務員として約10年勤務してきたNさん。どうしてスイス航空で10年、勤めることができたのか。Nさんの経験談からスイス航空という職場の魅力が伝わってきます。
―現在の勤務年数とポジションを教えてください。
9年目がちょうど終わりまして、1月から10年目に入ります。日本人乗務員として乗務しておりますので、特に役職などはございません。外国人乗務員の枠の日本人乗務員になります。他に中国人やタイ人、インド人などもいますよ。
―会社の雰囲気はいかがですか。
スイス人が主ですが、他のヨーロッパ各国からのクルーも多いです。会社全体の雰囲気としてはとても働きやすい会社だと思います。現在、9年勤務しておりますが、クルーが和やかで居心地が良いです。
スイス人の気質も日本人に似たところがあり、よく働く点もそうですが、相手のことを非常に気にかけて、まず相手あっての、という精神があります。そういった心構えが似ているところも働きやすい一因かもしれません。
国籍を問わず全員がチームの一員として、助け合って1フライトに臨む感じです。
私はこの会社で働くことができて、本当にありがたいなと思いますし、クルーの精神性の高さにもいつも良い影響を受けています。
例えば先日、急きょ1名クルーが病気で休むことになってしまい、代わりのクルーもいない状態でのフライトだったのですが、全員が、「まあそういうこともあるよね。何より本当に早く体調よくなるといいね。」とそのクルーの仕事をカバーしながら黙々と働くような感じでした。その様子を見てすごくSWISSらしいなと思ったのを覚えています。
―今はどんな路線を中心に飛ばれていますか。
今はチューリッヒと東京間のみ乗務しております。
―業務をしていて楽しいなと思う瞬間ややりがいを感じる瞬間はいつですか。
無事にフライトを終えて、お客様が帰り際に笑顔でありがとうございましたと言って下さる瞬間が楽しいというか、ありがたいなと思います。あとは様々な国籍のクルーと働けるという点ですね。
特に、スイス航空に入ってやりがいを感じる瞬間としては、機内で、スイスへご旅行される日本人のお客様が英語をお話しにならない場合、その方とスイス人クルーとの間に入ってコミュニケーションのお手伝いをさせて頂く時などです。サービスだけでなく、安全面を含めたコミュニケーションに関して、スイス人からも頼りにされていると感じますし、やりがいはありますね。
以前、別の外資系航空会社で働いていたのですが、その時は日本人のお客様が全くいらっしゃらない便でも多く乗務しておりましたので、その時はただ単に1クルーというような感じで、私が日本人乗務員であるという強い意識は今程ありませんでした。
SWISS では、日本人としての感覚を常に持ちながら、ヨーロッパの会社で働いているという気持ちが強いです。そういった意味ではサービスの面で学ぶことも多いですし、細かい動作にも集中して、日本からスイスにいらっしゃるお客様にフライトを楽しんでいただけるよう、日々努めています。
―少しお話が戻りますが、就活で特に力をいれていたことがありますか。
私はとにかく沢山の会社の試験を受けました。出願していく中で、改めて自分自身を分析できた事がよかったと思います。自分が見えてくるのと同時に、自分にあった会社も見えてきました。イメージでこの会社がいいな、と思っていても、実際選考を受けてみると私にはあわないかも、と感じたり。そういった自分自身の見極め、自分と相性の良い会社の見極めが就活の中で段々と出来ていって、そこから最終的に現在の会社に内定を頂く事ができました。
―アイザックに通学していた時のことで今でも覚えていることはありますか。
私が就活中にケガをしてしまった時があったのですが、先生方がすぐに励ましの手紙をくださって、授業以外でも私の事を気遣って下さり、そのあたたかさが大変印象に残っています。
先生方には本当に感謝の気持ちで一杯です。私が客室乗務員になることで先生方も喜んでくださるなら、そういう意味でも絶対に頑張ろうと思っていたことは覚えています。
今でもアイザックに伺うと先生方やスタッフの方々がとても喜んでくださって、私も戻ってきたようなホッとした気持ちになります。アイザックに通っていなければ今の自分もいないですし、私にとって本当に大切な場所です。
―スイス航空を志望されている方におススメの対策法はありますか。
一番大事なのはスイスが好きだという気持ちだと思います。スイス人は自国に対して良い意味で大きなプライドがあって、自分の国をとても愛しています。外国人であってもスイスが好きで、お客様にスイスでのご旅行を楽しんでもらおうという心構えで働く事ができる人を求めていると思います。
乗務し始めると本当に日本-スイス間しか飛ばなくなるので、そこでやはり自分自身スイスを楽しめる人って強いと思うんですね。自分でもスイスを楽しんでいれば、ご搭乗されたお客様に、スイスのこちらのレストランは美味しいですよ、ですとか、お土産にはこちらのアイテムがオススメです、とご案内できますしね。
あとは様々な文化を受け入れることができる人ですかね。スイスという国自体、ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏、などそれぞれ分かれていますので、スイス人同士でもその中で国が違うぐらい文化が違います。そういった様々な文化の中でフレキシブルに働ける能力が大事だと思います。
―これからエアライン業界を目指される方にメッセージをお願いします。
色々な会社を見てみて、自分が自分らしく楽しいと思える会社を見つけること。挑戦する事。そして常に挑戦していけば、必ず合う会社は見つかると思います。頑張って下さい。