日本航空CAの採用情報と試験対策について、JAL現役CA時代に採用のお手伝いをした経験を踏まえてお伝えいたします。
“顧客満足”という言葉、接客業に興味をお持ちの方ならご存知かもしれません。お客様を満足させるヒトのサービスに力を入れることによって経営を盛りたてようとする取り組みを「顧客満足」という概念を最初に日本に持ち込んだのは日本航空だとも言われています。
さかのぼる事、半世紀以上前。1960年ごろ、日本航空が初めてサンフランシスコまでの国際線を就航させることになりました。しかし当時は世界に冠たる”パンナム”(パン・アメリカン航空)が環太平洋路線のシェアを独占していました。ビジネスの3要素と言われる「ヒト・モノ・カネ」。資本(カネ)も保有機材など(モノ)でも到底太刀打ちできませんでしたが「日本人特有の、きめ細やかな心配り」(ヒト)でならお客さまの心をつかめるはずだ!!と信じたのです。
読書しながらうたた寝をしていらっしゃるお客さまに、そっと毛布をかけてさしあげ、折り鶴をしおりがわりにはさんでサイドテーブルに置いて差し上げる。そのような心遣いを世界中のお客さまに発信する日本航空の伝統が始まりました。
顧客満足の為のヒトサービスに必要な要素を「表情・挨拶・身だしなみ・話し方・仕草や態度」の5つに分け客室乗務員を一人前に育てるための訓練プログラムを策定しました。笑顔の効用、ヘアメイクアップレッスン、制服の着こなし、姿勢、歩き方、立ち居振る舞い、仕草、プロに学ぶ話し方なども盛り込まれたほどです。私が初期訓練を受けた頃も、資生堂のスタッフから機内で映えるメイクを学びましたし、お茶室での授業もありました。
感謝の心をもって、謙虚に学ぶ
感謝の気持ちを常にもち、世の中すべてから謙虚に学び、自己成長できる人財
果敢に挑戦し、最後までやり遂げる
失敗を恐れず常に新しい事に挑戦し、人任せにすることなく最後までやり遂げる人財
プロ意識をもつ
自分の仕事に誇りと責任をもち、地道に自分の専門を極める人財
採算意識をもつ
JALグループが社会から必要とされ、永続的に発展する為に、強い採算意識をもつ人財
多文化を尊重し、適応する
世界の多様な文化と積極的に触れ合い、異なる文化・価値観を尊重できる人財
仲間と共に働く
仲間と共に働き、仲間のために頑張ることに誇りと喜びを感じられる人財
お客さまに心を尽くす
すべてのお客さまに、感謝の気持ちを形にしてお返しすることができる人財
※日本航空株式会社 新卒/既卒採用情報より抜粋
日本航空での初期訓練で最も記憶に残っているのは、機材の勉強をしている時に教官が仰った一言。確かその日は、ボーイング747ジャンボのエンジンについて学んでいました。訓練を受ける私達の顔が真顔すぎたのかもしれません。「みんな!そんな深刻な顔せず、客室乗務員になる者として微笑みを絶やさずに講義を受けてください!」と注意されたのです。思ってもいないアドバイスに、「プロとしておもてなしをするということ」のレベルの高さを感じた瞬間でした。
現在日本航空は今、世界一愛される航空会社になるように努力しています。客室乗務員は、お客さまの表情や態度、語調からお気持ちを察する感知力と共に、お客さまにとって話しかけやすい雰囲気を持つことが必須なのです。
2011年日本航空は倒産し、多大なる迷惑をおかけすることになりました。現在の新生JALがあるのは、国民の皆様のおかげなのです。「今日も飛行機を飛ばせる」こと、「ご利用くださっているお客さまがいらっしゃる」ことへの感謝の気持ちを胸に、我々は再スタートしました。
倒産を機に凍結していた採用も数年後には再開することができました。その際最も重要視されたのは、「我々社員と共に、お客さまに感謝しながら謙虚に仕事ができる人材か」ということです。採用試験中、「この頃感謝したことはありますか?」という質問が今年も投げかけられています。
また、「なぜ倒産した会社を志望してくださるのですか?」「親御さんは賛成していらっしゃいますか?」など、倒産した事実をどのように受け止めているのか、何度となく問われ、真意を確認しています。
日本航空の受験を希望する方には、参考文献を何冊か読んでおくことをお勧めします。
「生き方」稲盛和夫著 サンマーク出版
「心は変えられる」原英次郎著 ダイヤモンド社
自分の意思を固めることができますし、「倒産の事実を知って受け止めよう」とする真摯な姿勢は、言葉や態度の節々に必ず表れます。
一、お客様に最高のサービスを提供します。
一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。
JALとして掲げた企業理念の冒頭に「全社員の物心両面の幸福を追求する」とあります。これは「お客さまに最高のサービスを提供」するのも、「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献」するのも、全てはJALグループに集う社員一人ひとりの懸命な努力の結集があればこそ実現できることであり、社員が一生懸命努力するためには、心の底から「JALで働いていて良かった」・「JALの一員として頑張ろう」と思うことが大切であるという考えがあるからです。また、物心両面の幸福とは、経済的な安定や豊かさに加えて、仕事に対する誇り、働きがい、生きがいといった人間の心の豊かさを求めていくことで、素晴らしい人生を送るとともに、心をひとつにして一致団結し、お客さまに最高のサービスを提供できるよう、必死の努力をしていかなければならないという、思いを込めています。
私たちは一人ひとりの意識を変えていくことが必要と考え、JALのサービスや商品に携わる全員がもつべき意識・価値観・考え方として、JALフィロソフィを策定しました。これにより、私たちは同じ価値観をもち、判断および行動をしていくことで、全員が心をひとつにして一体感をもって、お客さまに最高のサービスを提供し、企業価値を高めることで、社会の進歩発展に貢献していくよう全力を尽くしていきます。
(引用元:JAL 新卒/既卒採用情報 http://www.job-jal.com/special/philosophy/)
2020年新卒の募集人数は、600名程度と公表されています。
2020年の東京オリンピックを見据え、国内線・国際線のネットワーク展開を図っていくため、特に新卒はここ数年で500名以上の募集が続いています。引き続き大量採用で、JALのCA希望の学生にとって、ビッグチャンスが続いています。
(1)2019年4月~2020年3月までの間に専門学校・短期大学・高等専門学校・4年制大学または大学院(修士課程)を卒業見込みの方で、2020年2月以降、会社の指定する時期に入社できる方。
(参考:2019年度新卒入社時期2019年3月~2019年10月)
※卒業とは、専門士(Diploma)・短期大学士・準学士 (Associate Degree)・学士(Bachelors Degree)または修士(Masters Degree)の資格取得を指します。
(2)TOEIC600点以上、または同程度の英語力を有する方。(証明書類の提出は別途通知します)
(3)呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊椎等が航空機乗務に支障なく、必要な体力を有し、心身ともに健康な方。コンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上の方。
(4)土曜・日曜・祝祭日、年末年始を問わず、早朝および深夜を含む交替制勤務が可能な方。
(引用元:JAL 新卒/既卒採用情報
http://www.job-jal.com/recruit/requirement/new-graduate05.html)
JAL RECRUITING GATEへプレエントリーを行い、IDとパスワードを取得した後、基本情報登録の手続き行います。
JAL RECRUITING GATEから、基本情報登録を行います。
期限:2019年4月17日(水)13:00
JAL RECRUITING GATEにて、エントリーシートを入力します。
提出期限:2019年4月19日(金)16:00
※エントリーシートを提出された方は、5月上旬頃までにテストセンターにて筆記試験を受検する必要があります。
2019年6月より実施予定
※一次選考は、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5会場、二次選考は、東京、大阪の2会場で実施予定。
【8月選考】
日本国外に留学されている方(2019年4月末時点)で希望される方、および教育実習により6月選考にお越しいただけない方を対象に、2019年8月以降(予定)に面接選考を行います。詳細は、JAL RECRUITING GATEにて別途案内があります。
(引用元:JAL 新卒/既卒採用情報
http://www.job-jal.com/recruit/requirement/new-graduate05.html)
① 雇用形態:正社員
② 勤務地:羽田空港、成田空港、等
③ 給与等:初任給188,000円
上記に加え乗務手当など別途手当あり。昇給・賞与あり。
④ 通勤費:当社規定により支給
⑤ 勤務・休日・休暇
乗務便に応じたシフト勤務(変形労働時間制)
※土日・祝日勤務あり
※年次有給休暇、慶弔特別休暇、産前・育児休職制度、配偶者転勤同行休職制度、介護休職制度ほか
⑥ その他:寮・社宅制度、各種社会保険あり、制服貸与
【育児休職・育児制度】
育児休職は最大で子供が3才に達する月の末日まで取得可能です。
産前休職者のほとんどが育児休職を取得しています。
また、育児支援制度として、小学校就学前の子供を養育する社員には、深夜業を免除する制度、子の看護休暇、所定労働時間を超えて就業させない制度などもあります。
JALは、厚生労働省の次世代育成支援認定マーク「くるみん」を取得しています。
(引用元:JAL 新卒/既卒採用情報
http://www.job-jal.com/recruit/requirement/new-graduate05.html)
ちなみに、私は万年筆を使って履歴書を作成するようにしています。この頃は文房具コーナーで手軽な値段の万年筆が手に入るようになりましたね。お勧めですよ!
日本航空のグループディスカッションのお題は、ちょっと変わっています。「秋と冬、どちらが好きか?」「海外旅行は、グルメの旅が良いか、世界遺産を回りたいか」などのトピックで20分、会話を続けるのです。
結論を導き出す訳でもなく、正解もないので、ある意味難しい議題ですね。そして20分経過すると、お客様との対話力、チームワーク力の素養が一目瞭然になってしまいます。
私が受験した頃には、ディスカッションは採用試験に取り入れられていませんでしたが、即戦力をチェックするのに適しているな、と感じます。
例えば羽田⇒沖縄線。フライトタイムは2時間位あるのですが、飲み物サービスと機内販売が終わると”提供しなければならないサービス“は終わり。1時間以上フリータイムが残ります。機内をゆっくり歩き、お客さまからの個別のリクエストをお伺いしたり、お話を楽しんだりします。
客室乗務員は総じて会話での「反応が良い!」人ばかり。冒頭に挙げたグループディスカッションの議題は、まさにお客様との会話に近いもので、CAは基本的に聞き役、盛り上げ役になりながら、お客さまに会話を楽しんでいただいています。
グループディスカッションでは、メンバーの魅力的なところを引き出すくらい、周りの人に興味を持ってみてください。
例えば、隣の方が「私も留学したことあります」なんて口にしたら、「どちらに留学なさったのですか?!」と興味を持って質問するのです。そこで「オーストラリアに4年です」なんて答えが返ってきたら、「すごい!4年も留学なさっていたのですね^-^」と思った通りに反応してください。お客様との会話だと想定すれば、そうやって質問し、お客さまの素敵なところを引き出そうとしませんか?!
日本航空に内定なさる方々は皆、とても謙虚で感謝の気持ちが伝わってくる、内面も外面も素敵な方ばかりです。就職活動は精神的、肉体的に大変であることも事実ですが、就職活動をとおしてぐっと磨きがかかる生徒さんを大勢見てきています。これから受験を控える皆様、ぜひ今一度、自分を支えてくれている家族や友人、生活の全てに「有り難い」という気持ちで接してみてください。
おすすめは、「感謝日記をつけること」です。わざわざ日記帳を買わなくても、寝る前に「今日感謝したことを3つ(最初は1つでも)思いだしてから寝る」でも、携帯に日記をつけるでも構いません。採用試験の為だけでなく、自分が幸せに生きる力になりますよ。
免責事項:採用情報などは年によって変更がありますので、関連情報は、必ず日本航空の採用情報等でご確認ください。
有田りな
アイザック エアラインスクール講師、TOEIC(R)対策講師
社団法人日本マナーOJTインストラクター協会インストラクター(マナーOJT、接客英会話)
慶應義塾大学卒業。日本航空株式会社に新卒入社し、客室乗務員として10年勤める。大学での講演・講座(武蔵野大学)、雑誌やテレビの取材に多数出演。就職情報雑誌月刊エアステージではJAL特集号で表紙を飾る。
“客室乗務員は「自分を磨き、相手を幸せにする」仕事で、目指そうと決めた日から心磨きが始まっています。大学3年生の秋からアイザックに通い、先生方のご指導や励まし合える仲間のおかげで夢を叶えたアイザック卒業生講師です。皆様の期待や不安も共有しながら「夢を叶えるための時間も楽しい!」と感じていただける授業を目指しています。”
<免責事項>
採用情報は、必ず採用企業のホームページでご確認ください。