現在アイザック大阪校でエアライン講師として活躍される元ANA客室乗務員の松本先生に現役時代の生活についてお伺いしました。先生が客室乗務員をやっていてよかったこととは?休日はどのように過ごしていた?など様々な質問をさせていただきました。ぜひ客室乗務員の生活に興味のある方はご一読くださいませ。
―まずは単刀直入に客室乗務員を目指したきっかけとは?
私は九州の出身なのですが、私が住んでいた地方では幼い頃は飛行機というものに乗ること自体がどこか遠いことで、客室乗務員になることなんて想像もつかなかったです。
ですが中学校の頃に出会ったクラスメイトによって客室乗務員という職を意識するようになりました。その子は才色兼備で学校でも1,2を争う美人の子だったのですが、その子が将来は客室乗務員に絶対になると言っていたんですね。
それでこんな何でも揃っている子が目指す職業はさぞ魅力的な職業なんだろうなと思って興味を持ちました。
他の方は実際に飛行機に乗った時に優しくしていただいたCAさんに憧れてなどの理由が多い中では珍しいきっかけかもしれませんね。
―そうだったのですね。でもキラキラしている人に無性に憧れて、その人が好きなものを自分がすきになることってありますよね。そして、先生は実際に夢を叶えられたのですが、実際に入社してみての職場の雰囲気はいかがでしたか?
そうですね。私は大阪客室部に所属していたのですが、大阪の客室部は東京に比べると人数がとても少ないため、客室乗務員同士の距離が近く非常に親しみやすい職場でした。同じベースの方の顔と名前は一致していましたし、お互いによく知っていて、本当にアットホームだと感じていました。
基本的には毎回フライトメンバーが変わるのですが、本社に比べると何度も同じ方とご一緒することもありました。
休日などでも一緒に食事に行ったり、旅行に行ったりとしていたので、とにかく仲がいい印象ですね。
―先生が客室乗務員として働いていてよかった思うことはありますか?
私にとっては“人との出会い”が客室乗務員として働いてできた一番の財産だと思います。
人との出会いという意味では毎日様々なお客様と出会ったことはもちろんのこと、社員同士の出会いが私の中では非常によい出会いだったと思っています。
特に訓練中の苦楽を共にした同期メンバーは、退社した今でもずっと付き合いが続いていて、この同期と支えあいながら仕事ができたのは何よりの経験でした。
教官から厳しい指導を受けたこともあれば、楽しく遊びに行った思い出もあり、人生の中でもこれだけ気兼ねなく、飾る必要なく話ができる人と出会えることは今後もなかなかないのではないかなと思います。
また私が働いていたベースは先輩後輩も風通しがよく仲のよい職場だったので、先輩方とお話しする機会も多くその中からも沢山の刺激を受けました。
客室乗務員というのは元々向上心が強い方が多いと思うのですが、私の周りもそのような方が多く、私より一回り上の先輩であっても、休日にはロードバイクに乗ったり、マラソンを走られたりという方がいらっしゃいました
また急な欠員を補うために、スタンバイという出勤の仕方をする時があるのですが、このスタンバイの時は何もない限りは基本的に何をしていても自由なんですね。ですが、こういった時間も無駄にせず、英語や韓国語といった語学学習に励んでいる方も多く、私も周りに刺激を受け、語学学習を行っていました。
―お休みの話が出ましたが、最近は働き方改革という言葉が世間でも話題ですが、ANAの福利厚生についてはどのようにお感じになりましたか?
客室乗務員は福利厚生もすごく充実していると思います。
仰るように、働き方の改革は注目を集めていますが、ANAもここ10年で介護休職であったり育児休職の制度をずいぶんと改善してきました。10年前と比べると非常に働き方の選択肢が増えたと感じます。
またもちろん、社員優待の航空券といった航空企業だからこその、福利厚生もANAで働く上で嬉しい部分でありますね。
―先生が働いている際に感じたANAの企業努力はありますか?
とにかく常に様々なことに挑戦している会社というイメージがありますね。お客様と一緒に歓びを創造することを大切にしている会社です。いかにお客様を感動させられるかというモットーの元、受験生の皆様も聞いたことがあるかもしれませんが“ANAマジック”の実践に取り組んでいます。
また最近では身体障害者やLGBTの方といった社会的マイノリティの方々に対する理解を深め、心地よいおもてなしを提供することへも積極的に取り組んでいます。
常に「気づきを行動に」の精神で、新たな挑戦をし続けることのがANAの企業努力かなと思います。
―なるほど、常にそのような企業努力をされているからこそ、ANAのサービスは乗客にとって非常に快適に感じるのですね!先生は国内線を中心に乗務されていたとのことですが、印象に残っている路線はありますか。
沖縄路線ですかね。沖縄路線は大部分のお客様がレジャー目的の方ですので、今から沖縄で楽しい時が過ごせるんだというお客様のわくわく感が私にも伝わってきて、それで私も楽しい気分で乗務できました。
あと沖縄だと修学旅行生が団体で搭乗されることもあるんですが、修学旅行が人生で初の飛行機の利用という学生さんもいらっしゃって、そのわくわく感やにぎやかな感じも沖縄路線特有かなと思いました。
―確かにわくわくしているお客様がいるとこちらまで嬉しくなりそうですね。先生が好きだったステイ先はどこでしたか?
やはり札幌や沖縄は楽しかったですね。観光地として人気が高い場所は少しの時間の滞在でもすごく楽しませてもらっていました。札幌では一度だけステイの日が札幌の雪まつりの日と被って、その時のクルーみんなで雪まつりを見に行ったのもいい思い出です。
ステイ先では午後からの出社だった場合朝だけしか時間がない時でも、ちょっと近くを散歩するだけで気分のリフレッシュができましたね。
あと意外な穴場としては新潟が人気が高かったです。私も好きでした。新潟は空港からステイ先ホテルへの利便性が高く、美味しい食べ物ものもありますし、また近くに何でも揃っているショッピングモールがあって、時間のないステイでも十分満喫することができたステイ先でしたね。ぜひみなさんにも観光で訪れてほしいです。
―特にやりがいがあると感じたフライトは
これ客室乗務員のみなさん結構思う方がいらっしゃるのではないかと思うのですが、満席で忙しい便ほど、サービス魂が燃えます(笑)例えば金曜の最終便のプレミアムクラスなどは最たるもので、ベルト着用サインが10分しか消えない時などはどれだけ手際よくフライト中の動きを組み立て、完璧にサービスをこなすかということころでとてもやりがいを感じます。自分の思い通りのサービスができた時は他では味わえない達成感を感じることができますね。
松本夕子
アイザックエアラインスクール講師
全日本空輸に客室乗務員として18年間乗務していた。
先生お忙しいところ長々とインタビューにお付き合いいただきましてありがとうございました。先生のお話で客室乗務員の魅力を再確認することができました!今後ともこれまでの客室乗務員の経験を生かした生徒さんのご指導どうぞよろしくお願いいたします。