近年の採用試験では「最後に言い残したことがあればどうぞ」と発言の機会をいただける事が多いです。まるで、野球の試合、満塁サヨナラホームランを打つ打席をセットしていただいているようなものです。
このタイミングで、「○○と△△と□□が出来る私を雇ってください!!」と言いたくなる気持ちは誰もが持つでしょう。しかし、面接官の立場に立って考えてみてください。「○○と△△と□□な御社が大好きです、今日はこのような機会をくださり、有難うございました」と言われた方が、自然に心や口元がほころび、嬉しい気持ちになりませんか?!
客室乗務員は少し特殊な仕事で、「印象の良さ」が必要になる仕事です。大型機で国内線を3本フライトしただけで、一日に1000人位のお客さまと接することになります。その1000人のお客様の誰からも「感じが良い」と好印象を持っていただけることが必要なのです。その「感じの良さ」は入室した数秒に判断されていますし、その後も“他の受験生の話を聞くあなたの姿”で充分チェックされました。「最後の一言」で、エントリーシートにも同じ内容が記入されている自己PRを再度伝える必要はないと思います。
面接の最後に「言い残したことがあればどうぞ」と言われることがあれば、私は「相手企業に勤めていらっしゃる、○○さんのこんなところに魅力を感じました」と、人にまつわる話をお伝えしたいと思います。
採用試験では、多くの社員が受験生をサポートしています。説明会、面接当日などでも、素敵な先輩との出会い、心配りをしていただく機会があればあるはずです。どうぞ、その方のお名前を覚えておいて、最後の一言や志望動機で面接官に伝えしてほしいと思います。
採用試験のお手伝いを担当し、面接会場の裏側を想像できるから余計感じるのかもしれません。採用スタッフも「ヒト」です。自社の事、仲間のことを褒められるのは嬉しいことですし、知ろうとしてくれる受験生と一緒に仕事をしていきたいなと思うものです。
有田りな
慶應義塾大学卒業。新卒で日本航空株式会社に入社。客室乗務員として10年勤め、在職中は大学での講演、雑誌やテレビの取材に多数出演し、就職情報雑誌月刊エアステージではJALの特集号で表紙も飾る。 現在アイザック エアラインスクール講師。社団法人日本マナーOJTインストラクター協会マナーOJTインストラクター、接客英会話インストラクター。
“客室乗務員は「自分を磨き、相手を幸せにする」仕事で、目指そうと決めた日から心磨きが始まっています。大学3年生の秋からアイザックに通い、先生方のご指導や励まし合える仲間のおかげで夢を叶えたアイザック卒業生講師です。皆様の期待や不安も共有しながら「夢を叶えるための時間も楽しい!」と感じていただける授業を目指しています。”
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